活動報告REPORT

20周年記念式典
記念誌の発刊に寄せて

当財団は、株式会社大塚製薬工場代表取締役社長を務めた亡き夫、故大塚芳満の遺志により2001年に創立以来、医学、歯学、薬学、栄養学を専攻する徳島県内在住の学生、大学院生および経済的に困難な状況にある高校生に対して、また県内の優秀なスポーツ選手に対してそれぞれ奨学援助を続けてまいりました。
この間、社会に有用な人材として活躍が期待される多くの奨学生を世に送り出すことができましたことは何よりの喜びでございます。
本日、財団創立20周年を迎えることができましたのも、ひとえに関係各位の格別のご指導、ご支援のたまものと深く感謝しております。心よりお礼申し上げます。
あっという間の20年間でしたが、8名で始まりました奨学支援も徐々に数を増やし、延べ527名の方々に奨学援助できましたことは名実ともに大きな実績として残っており、私たち財団の誇りとするところでございます。
また、記念事業の目玉の一つとして、本県医療の発展に少しでも貢献できればと考え、徳島大学医学部に医療機器を贈呈させていただきま
した。
これらの医療機器が本県医療の発展に少しでもお役に立てればこれ以上の喜びはございません。
記念式典では、この20年間に奨学金を授与された方々の中から、代表2名の方々に実社会で活躍されている模様をお聞きしました。それぞれの分野で社会に貢献され、ご活躍されている姿を拝見し、とても心強く感じるとともに、私たちがこれまで続けてきたことが、意義あるものと実感した次第です。
また、スポーツジャーナリストとして、有名な二宮清純氏をお招きし、記念講演会を開催したところ、コロナ禍にも関わらず多数の方々にご参加いただき盛況な講演会になったことも主催者としてこれ以上の喜びはございませんでした。
そしてこれまでの20周年の歩みを足跡として残すために記念誌を発行することといたしました。
今後もこれをひとつの節目として、これからも皆さまのお役に立てるよう、そして社会に貢献していけるよう、さらに精進してまいりたいと思っています。
最後に本誌発刊に当たりまして、格別のご支援、ご協力を賜りました関係者の皆様方に対し心から感謝申し上げ、ご挨拶といたします。
公益財団法人 大塚芳満記念財団
理事長 大塚道子
祝辞

この度、公益財団法人大塚芳満記念財団が、創立20周年の節目を迎えられましたことを、心からお慶び申し上げます。
また、貴財団におかれましては、平成13年の創立以来、幅広い分野で数多くのご功績を残された故大塚芳満氏の「ふるさと徳島に貢献したい」とのご遺志を受け継がれ、20年の長きにわたり、本県における医療の充実、スポーツの発展に多大なるご貢献をいただいております。
特に近年は、コロナ禍で経済的困難を抱える生徒や、24年ぶりに徳島県はじめ四国を舞台に開催された全国高等学校総合体育大会「躍動の青い力四国総体2022」で、力一杯のプレーで健闘した選手に対し、格段のご支援をいただきました。
大塚芳満氏の偉大なご功績と郷土への温かい思い、並びに大塚道子理事長はじめ財団の皆様のご尽力に、深く敬意を表しますとともに、心から感謝申し上げます。
さて、長期にわたるコロナ禍において、医療の最前線で対応されている医療従事者はじめ、私たちの生活に必要不可欠な役割を担うエッセンシャルワーカーの重要性が再認識されました。
加えて、コロナ禍の様々な困難を乗り越え開催された東京2020オリンピック・パラリンピックでは、記録に挑み自己を高めようとするアスリートの姿に世界中が感動し、勇気をいただき、医療、スポーツ両分野の重要性が改めて示されました。
こうした中、県におきましても、県民の皆様が夢と希望を持ち、安心して幸せを実感できる社会を実現するため、医療機関の連携強化や人材の確保はもとより、全国のモデルとなる「5G遠隔医療」を推進し、地域医療の充実を図るとともに、「オロナミンC球場・内野スタンド」の全面改築や「新たな武道館」の整備検討をはじめスポーツ環境の整備に取り組むなど、両分野の発展・振興に全力を傾注しております。
こうした取組みが大きな効果を得るためには、多くの優れた人材にご活躍いただくことが不可欠であり、「ひとづくり」の重要性はますます高まっております。貴財団におかれては、この度の佳節を契機に、今後とも、本県はもとより、日本の未来を創る若者の背中を、温かく後押しいただけますようお願い申し上げます。
結びに、大塚芳満記念財団の今後のますますのご発展と、関係の皆様の更なるご健勝、ご活躍を心から祈念申し上げ、お祝いの言葉といたします。
徳島県知事 飯泉嘉門
祝辞

大塚芳満記念財団が創立されてから二十周年を迎えられ、大学を代表して心からお祝いを申し上げます。
大塚芳満記念財団は、大塚製薬工場代表の元代表取締役会長、故大塚芳満氏の製薬関連分野及び徳島県体育協会会長を務めたスポーツ分野で、ふるさと徳島に貢献したいとの遺志に基づいて、ご令室の大塚道子氏により平成十三年七月二十七日に設立されました。
大塚芳満記念財団では、二十年にわたって徳島県内に在住する医学、歯学、薬学及び栄養学分野を専攻する有能な学部学生・大学院生に対して、奨学援助を行い、医学、歯学、薬学及び栄養学の発展並びに国民福祉の向上に寄与し、社会に有用な人材を育成するとともに、徳島県内の優秀なスポーツ選手に対して援助を行い、スポーツの発展に寄与し、もって青少年の心身の育成に寄与することを目的として活動を続けてこられました。
徳島大学では、この二十年で二百六十六名にもなる学生が大塚芳満記念財団の奨学生に選ばれ、それぞれの分野で社会に貢献し活躍しております。奨学生に選ばれるということは、大変栄誉なことであるとともに、経済的支援を得て安心して勉学に励むことができ、奨学生にとって大きな支えになっております。
これまでの多くの学生の御支援を心より感謝申し上げます。
結びとなりますが、公益財団法人大塚芳満記念財団の益々のご発展を祈念して、お祝いの言葉とさせていただきます。
徳島大学学長 河村保彦
20周年記念講演 「勝者の思考法 ~名将・名選手から学ぶ~」講師:スポーツジャーナリスト 二宮 清純氏
二宮氏は長年のスポーツ取材の経験を基に、名将・名選手との対談エピソードを披露。

- ・東京オリンピックの女子バスケットボールで銀メダルを獲得した高田キャプテンの言葉 → 失敗とはミスをすることではない、ミスを恐れてチャレンジしないこと。
- ・パラリンピック河合選手の言葉
障がい者は健常者の未来の姿 → 同じ共生社会でも、ミックスジュースのように元の素材をすりつぶした姿ではなく、フルーツポンチように、それぞれの形や個性が生きたまま混ぜ合わさっている姿にしていきたい。 - ・パラダイムシフトがおきている
効率 → 快適(九州の高額列車の旅)
平均寿命 男 81 歳 女 87 歳
平均余命 男 16 年 女 20 年
人生何が一番大切か(幸せの条件) → 金とか名誉はどうにでもなるが、時間だけは取り戻せない。 - ・小出監督の談
「伝えたと伝わったは違う、リーダーには言ったことを確認する義務がある。」
ex.マラソンで35kmあたりの給水所は道が狭くなっているから、気をつけろと事前に選手が注意していたが、足を踏まれ転倒してしまった。
小出監督は謝る選手に対して、自分のほうが悪かったと頭を下げた。コミニュケーションというものは一方的に伝えただけではダメだ。確認する必要がある。
夫婦間でも同じことがいえる。
ex. あれ言ったよね。聞いてないわ。言ったことはちゃんと伝わっているかを確認することが必要である。
- ・指導者が言ってはいけない言葉3つ
① ムリ
② 非現実的
③ 不可能 - ・もっとも尊敬できるリーダーの一人、日本サッカー協会キャプテン川渕三郎氏
サッカープロ化の会議の中で、時期尚早という委員に対して、時期尚早という人間は100年経っても時期尚早という。前例がないと言う人間は200年経っても前例がないと言う。川渕は大きな声を張り上げ、できないと思う人間はこの場から去れ、できると考える人間と一緒に仕事をしたいと言った。
時期尚早という人はやる気がないとは言えないから、そのような言葉を使う。前例がないという人はアイデアが無いとは言えないからそのような言葉を使って逃げようとする。
リーダーは、言葉と覚悟と決意だと思った。この名演説が無かったら、サッカーはプロ化していなかった。
21世紀のリーダーの条件
Passion(情熱)
Mission(理念) & vision(先見力)
Action(行動) - ・ヤクルト野村監督のID野球
巨人との開幕ゲーム、先発の斎藤投手の弱点を探すために監督自ら過去の対戦成績を徹底的に調べて、開幕戦を勝利した。
開幕ゲームが全てだ、1/140でなく140/140だ。
弱者は敗者ではない。強者は勝者にあらず。
野村監督談:
「指示は1つでいい。それを徹底させろ。3つ言うと1つ忘れる。2つ言うと人は迷う。」